佐々木淳二さんのブログpart2です!
こんにちは。Dynasty Premier Playerの佐々木淳二です。
前回のブログでは、強風の試合での基本的な考え方や原則について書きました。
\記事はこちら/
今回は、実際に代表選考会に出てみて感じた事や経験したことを
*メンタル
*フィジカル
に分けて解説していきたいと思います!
選考会当日
風速10m以上の風が吹き音響のスピーカーやパイプ椅子が風で倒れました。
出場した7人中5人がMを射ち
休憩中は危ないので弓やフィールドスコープは寝かせて保管していたという状況です。
春から夏にかけての夢の島アーチェリー場は、東京湾の埋立地という立地上海風がとても強いです。
また、風の方向も一定ではなく、シューティングラインと的前で風の向きが違うこともよくあり風読みも難しい会場です。
(敷地内に夢の島熱帯植物館や、アーチェリー場のある体育館があります!ぜひ遊びに行ってみてください!)
*テクニック上の反省点と感じたこと*
技術的な一番の反省点は「緩み射ち」です。
風で緩んでとんでもない所に射ってしまった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
強風でエイミングが安定しない状況では
できるだけ真ん中で射ちたい!という意識が強く働き
どうしても的・押し手側に気持ちを持っていかれます。
そうすると引き手側が緩み
ふとした突風の時に 一気に戻されながら射ってしまいます。
また、脳が「リリースするぞ!」 と指令を出しても
体が固まっているとリリースのタイミングが一瞬遅れてしまい引っかかりが生まれてしまいます。
よってこれも戻り射ち となってしまいます。
実際このような射が何回かあり
後ろで見ていてくれたコーチの河本選手にも何回か指摘をもらいました。
私の場合は、前述したように意識が全体的に前側に持っていかれることで緩みが出るため
より後ろ側を意識することで試合中に改善していきました。
一言で言えば「頑張って引き込む」ということになりますが、
リリーサーを持っている手や前腕側で力んで引きすぎると
風の場合は特にリリースが引っかかりやすいので注意が必要です。
リリーサーを握り込んでしまうから!!
そしてアンカーをガッチリ固定することで安定感を生み出そうとします。
ところが、アンカー(手)で引いてしまうと
肩や背中側に力が入りにくい(と言うよりサボってしまう)ため
アンカーがきちんと付いていても背中側や肘から戻されてしまいます。
肩や肘側を意識して引き込みました。
そうする事である程度の緩みが改善できる方は多いと思いますので、ぜひお試しいただければと思います。
*メンタル上の反省点と感じたこと*
今回メンタル的に感じたことは主にこの2点です。
・絶望感や諦めとの戦い
これについては「とにかく今に集中する」ことが大事だと考えています。
いつ突風が吹くか分からないという焦りから早射ちをしたがる
今回あまりにも風が強すぎて、一時的に風が収まっていても心理的な焦りが抜けず
とにかく早く射ちたがる悪い癖が出ていました。
それによって動作が雑になってしまいました。
(実際、風の少ないエンドでは無風時よりも早く射ち終わることも…)
前回のブログでも書きましたが
強風時は風の隙間を狙って稼げそうなところで点数を稼ぐ必要があります。
もしかしたら今丁寧に射つ事で
次の射のタイミングは強風が吹いているかもしれません。
でもそれは次の射に考えれば良いことです。
まずは、今の射で確実に黄色に入れることに集中すべきです!
風が収まった時こそ一度深呼吸してから射つといいと思います。
絶望感や諦めとの戦い
正直、今回試合中に何回も心が折れかけました。
「こんな風無理だよー!」って何回もなりました。
何年競技をやっていても折れそうになる時はあるものです。
こういう時は「短期的目標で乗り切る」ということを意識しています。
目茶苦茶な風が吹いている時に
「あと12エンド頑張らなくてはいけない」のは正直しんどいです。
とてもじゃないですがメンタルが持ちません…!
そうすれば、苦しいのを2回乗り切るだけで前半が終わりです。
720点満点だと道のりが遠いですが
180点なら今に集中することができます。
もちろん1エンドごとに区切ってみるのもアリだと思います◎
どんなに苦しい試合も射っていればいつか必ず(というか2時間くらいで)終わります。
始まる前から風が吹いていると「今日は点数なんか出ないよ…」という
気持ちになってしまうのは分かりますが、
「目の前の1エンド、目の前の1射をきちんと射つ」
ということを考えて乗り切りましょう!
*フィジカル面の反省点と感じたこと*
「コンパウンドは重さが正義」という言葉、
一度は聞いたことがある人が多いと思います。
今回の選考会ではこれを嫌というほど思い知らされました。
やはりコンパウンドで 重さは正義です。
大事なことなのでもう一度言います。
重さは正義です!!
体重も弓も重い方が圧倒的に有利です。
(もちろん技術があった上での重量です)
海外のトッププロたちの体型やセッティングを見れば明らかですね。
私自身、身長に対して平均体重はあるのでこれといって痩せ型ではないですし
弓の重量もそこまで軽いわけではないのですが(センター22oz、サイド17oz)
やはり強風が吹いた時に体も弓も持っていかれました。
私より体格の良い選手の射を間近で見ていると
やはり風に煽られた時の安定感が全然違います。
強風の中でパフォーマンスを発揮する場合
自分の場合は体重をあと+15kg
弓に搭載するウエイトも+15ozは欲しい…
というのが率直な感想でした。
ただ、これに関しては技術やメンタルの向上以上に難しい話です。
15oz重たい弓を扱うにはかなりの筋力アップが必要ですし
極端な体重増加は健康状態にも悪影響が出るので(私も若くはないので)悩みどころです。
少しずつトレーニングを積み重ねていきたいと思います◎
弓の重さについては
風が吹いていなくても「自分が扱える最大重量」を目指すことは
エイミングが安定し競技的にはプラスになります。
ずっと同じセッティングで射っていると弓の重さにも慣れてきますし
それなりに筋力もついてきます。
((一気に増やすと肩を怪我するので少しづつ増やしましょう))
いかがでしたでしょうか?
今回は強風の試合に出て率直に感じたことを書いてみました。
シーズン中試合に出ていれば、何試合かは強風の日に出くわすものです。
色々書きましたが、風があまりにも強すぎてどうにもならない事もあります。
そんな時はあまり気負わず風に慣れる練習だと思って楽しみましょう!
今回お伝えしたことが一つでも皆様のお役に立てれば幸いです。
それではまた次回!
今回もわかりやすくて、実践しやすい
ためになるお話でしたね~!
ではみなさん、また次回お会いしましょう!
\次回もお楽しみに/
Dynasatyおすすめウェイト!
現日本チャンピオンで日本記録保持者(50mラウンド707点)。北海道出身。地元・札幌でコンパウンドを始め、活動拠点を東京に移したのち50mラウンド700点アップ、複数回のトーナメント日本記録タイ記録、インドアホワイトバッジ取得と、名実ともに日本を代表するトップ選手のひとりとなる。2020年に全日本ターゲット選手権で初優勝を飾ると翌2021年に連覇を果たした。2021年10月の記録会にて、これまで6年間破られなかった50mラウンド日本記録704点を一気に3点更新する707点を記録、日本中に大きな衝撃を与えた。
Dynastyではアートディレクターとしてデザイン監修も務め、サマーシュートキービジュアルほか、ポップで明快かつ個性的なデザインで業界内外の信頼を集めている。
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Yurika