誕生以来、世界のトップアーチャーたちに選ばれ続け、今なお圧倒的なシェアを誇るEASTON<イーストン>社のカーボンアロー。
EASTONがカーボンアローが選ばれる理由には、カーボン素材への飽くなき探究とこだわりがありました。
EASTONが考える、理想的なカーボンアローとは。
エンジニアたちのインタビューを通して、世界最高峰のカーボンアローの秘密に動画で迫ります。

カーボンファイバーの登場
カーボンファイバーの誕生によって、工業製品の製造技術は大きく進歩しました。
今回は、カーボン複合材の背後にある科学と、カーボンの革新が今日私たちが使用している多くの製品をどのように再定義しているかを探ります。

2種類以上の異なる材料を組み合わせることで、単一のときよりも高い性能を引き出す素材を「複合材」と呼びます。

例えば、身近なホームセンターなどで売られている合板は木目を異なる方向に走らせ、全体を樹脂で接着することで、加工前の木材よりも高い強度を持たせることができ、軽量化にも役立ちます。

他にも、ピラミッドのモルタルから近代のジャンボジェット機まで、人間の生活環境の中で非常に長い間使われてきました。
人類は複合素材を使用することで目的を達成してきたのです。
カーボンと樹脂の組み合わせで特徴が変化
EASTONの場合は、カーボンやグラスなどの繊維と、樹脂であるマトリックス材料を組み合わせています。

カーボン繊維を使用する際には、繊維どうしを繋ぎ止める素材が必要です。
スポーツ用品では、一般的にエポキシ樹脂が使用されます。
これはもちろん、用途によって最適な素材は異なります。
野球のバットなら、樹脂含有率の高いカーボンを使うかもしれません。
矢のシャフトの場合は、軽さと強さがより重要ですので、樹脂含有率の低いカーボンを使うこともあるでしょう。
用途に応じて、樹脂とカーボンの量や比率を変えることで、さまざまな特性が得られます。

EASTONが矢を製造する際には、エポキシ樹脂を使って複合材を作ります。
エポキシ樹脂は非常に強力で、矢に優れた強度を与え、品質と直進性を確保するのに役立ちます。

カーボンファイバーの特徴
今日、一般的に業界で使用されているカーボン繊維は、前駆体と呼ばれるものから始まります。

前駆体はパンまたはポリアクリロニトリルと呼ばれる材料で、レーヨンのようなものです。


レーヨンは長いオーブンで熱分解されます。つまり、酸素のない状態で加熱するのです。
この工程を経ることで、炭素分子が整列し、現在一般的に使用されている素材の中で最も高い比強度を持つ素材となります。

カーボンファイバーは本来、高価な素材なので、通常はより高性能な用途に使われます。

カーボンファイバーは非常に軽量で強度の高い素材なので、レーシングカーの部品などさまざまな用途に最適です。
翼や翼型、あるいはフレームや車体、飛行機の翼のような構造部品に使われることもあります。

炭素は周期表にある元素のひとつですが、それに関係する他のものをすべて燃やしてしまうことで製造されます。
その過程で、炭素をトウ(長い繊維)にするか、あるいはシート状に編むかのどちらかになります。
炭素繊維にはさまざまな形があリます。

プリプレグとは、樹脂が繊維自体にあらかじめ含浸されているロール状の織物のようなものです。
また、スプールに巻かれた糸のようなトウ・タイプもあります。
弾性率と重量比

どの素材を使うかを決めるときには、強度と重量のバランスを取ることになります。
弾性率は素材の剛性評価であり、重量強度と重量比にも関係しますが、基本的に弾性率が高いほど剛性が高くなり、軽量化が可能になります。


もし製品の重量や耐久性を気にしないのであれば話は簡単なのですが、できるだけ軽くしたい場合や、できるだけ硬くしたい場合は、一般的に高弾性率になります。
例えば質量が同じ場合、木材の弾性率は約500万、アルミニウムの弾性率は約1,250万、カーボンファイバーの弾性率は約5,000万です。

このように、カーボンファイバーは木材やアルミニウムよりも重量あたりの剛性が高いのです。
一般的に、弾性率が高いほど引っ張り強度は低くなります。
つまり製品の強度は、より脆くなります。
そのため、剛性は高いかもしれませんが、かかる負荷は小さくなります。
低弾性率のファイバーは一般的に引っ張り強度が高いので、より多くの荷重を受けることができますが、高弾性率のカーボンほど軽量ではありません。

つまり、最終的に何を求めるかによって、低弾性率、中弾性率、高弾性率ファイバーのどれを使うか、あるいはそれらを組み合わせるかが変わってきます。


カーボンファイバーに関しては、一方向性素材か織物素材かという構造や素材の硬さ、カーボンに対する樹脂の割合など、さまざまな選択肢があります。

経験則から言うと、樹脂の量が多ければ多いほど、製品は丈夫になります。
樹脂が少ないほど製品は軽くなり、カーボンが硬ければ硬いほど耐久性は低くなります。
しかし、エンジニアが、作ろうとする製品にどのような特性が必要かを決定する際、幅広い選択肢の中から選ぶことができます。


検討した結果、エンジニアはアーチェリーの矢のような用途には織物素材を選ばないかもしれませんし、リムのような太い構造物には、他の選択肢の方が良いかもしれません。
今日、エンジニアには多くの選択肢があります。
良い設計者になるための鍵のひとつは、素材の特性を理解し、適切なものを選ぶことです。
\動画全編はこちら!/





