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DynastyOfficialBLOG 「目標設定と点数の上げ方」菊地香緒里

       
アーチェリー記事

こんにちは!菊地香緖里です。

練習をしていても、なかなか点数が上がらず、このままだと試合に間に合わない…!なんて事はありませんか?

今回は、努力を結果に結びつけていくための「目標設定」、そして「点数の上げ方」についてお話したいと思います。

計画的な目標設定

皆さんは、目標はありますか?
私の現役時代の目標は、「世界大会での個人メダル獲得と日本記録更新」でした。
併せて、具体的な目指す点数と、どんなに天候や調子が悪くても下回らないようにする下限点を決めていました。

上記はあくまで私の中の主軸となる「大きな目標」です。
その日の調子や天候によっては目標の点数を少しだけ上げたり下げたりする事もありますが、目指す″″となる点数を決めていました。

いつも私は、冬のシーズンのうちに次の年1年で目指す「大きな目標」を決めて、これを
「いつ達成するか」を決めるようにしています。
これは、アーチェリーだけでなく、仕事でもそうです。

そして、この目標を決めた日から達成するまでの間の時期に「中間目標」を決め、
そこから逆算して

  1. 今日から3ヶ月間で達成する事
  2. 今日から1か月間で達成する事
  3. 今週1週間の目標

を決めて練習に取り組んでいます。

私自身、何度も失敗しながら取り組んできて分かった事ですが、この「大きい目標」だけでなく、「中間目標」、「目の前の目標」を決めるとで計画的に大きい目標にたどり着ける割合が高くなると感じています。

私は、アーチェリーを始めた最初の頃から高い点数を目指して練習していた訳ではありません。
目の前の目標や課題を着々とこなして行った先に大きな目標へと結びついていきました。

今、自分がすべきことを考える

今回は、70mラウンドでの場合についてお話します。

私自身、自分の中で乗り越える壁(目標)になった点数がいくつかありました。

  1. 300点(36射)
  2. 320点(36射)
  3. ロンドンオリンピック・660点(72射)

高校時代、私は、36射で「①300点」を1つの目指す基準として設定していました。
高校2年生の頃、主に自分の当てる感覚を頼りに射っており、250点~270点辺りを射っていたのですが、それ以上にはなかなか点数が伸びませんでした。

原因を探した結果、

  1. 体力がない
  2. 他県の強い高校生に比べて練習量が少ない

という問題にたどり着きました。

なおかつ、その当時、私は25~27ポンドぐらいの弓で70mを必死に射っていたので、風などの影響を強く受けていました。

そこで、顧問の先生に教わりながら正しい射形を身につけ、フィジカルトレーニングを行う事と練習量を増やしていく事にしました。

  1. 半年後のインターハイで目標の点数を出すためには、今自分に必要な物や足りない物は何なのか?
  2. 3ヶ月後には何点ぐらいを射っている必要があるのか?

など、逆算して練習の計画を立てました。
そうすると、「今日私がすべき事は何か」というのが分かってきました。

そこで、私は

  1. 毎日300本射つ
  2. 毎日少しでもいいので走る

という日々の目標を立てて、練習に取り組みました。

そうすると、

  1. 全員が同じ回数矢取りへ行く中でも周りの人より沢山射つにはどうしたらいいか?
  2. テストや試験で練習時間が減ってしまう時にはどこで巻き返すか?

など、頭を使いながら練習するようになっていきました。
すると、今まで毎日なんとなくで射っていた時間や暇はなくなり、常に考えながら練習をする癖がついていくようになりました。

そして、日々の小さな積み重ねを続けた結果、高校3年生の頃には、自分の弓を自分の力でしっかりと扱える状態になり、次の目標であった「①300点」、そして「②320点」が出せる日が少しずつ増えていきました
その頃でも、弓の強さは29ポンド程度でしたが、「正しい射ち方をして自分の弓を扱う事が出来れば、点数も出るようになるよ」と先生から教わっていたので、「早くきちんと綺麗に射てるようになりたい」と思って練習をしていました。

以前の私はそれだけの弓を引く体力すらなかったと言う事ですね。。😂

72射のトータル点数を目標に

やがて、大学に入って少し時間が経ち、320点台を安定して射てるようになってきた頃、コーチと目標の話になりました。
コーチから「何を目標にしているの?」と聞かれ、「330点です。」と答えた時に、「72射のトータルの点数を目標にした方がいいよ」と教わった記憶があります。
そこから、72射の点数で目標点を考えるようになり、660点を目指す事にしました。

その頃ちょうどロンドンオリンピックを目指していた頃で、「③オリンピックで660点を射つ」という目標になっていきました。

そこから

  1. 選考会で確実に通過する為には何点を射つ必要があるのか?
  2. 選考会に出場する為にどの時期の記録会で何点を射っていないといけないのか?
  3. その為には今週どんな練習をするのか?
  4. 今日の午前、午後はどんな事を意識して練習するのか?

など、具体的な目標・課題がある事で行動へと繋がっていきました。

日々の課題を具体的に決めることで、大きな目標までの道筋が見えるようになっていきました。
そして、段々と自分が決めた目標に辿り着ける機会が増えていき、結果的にそれがオリンピックや日本記録樹立へと繋がりました。

目標設定に失敗しても大丈夫

もちろん、失敗する事も沢山ありました。
でもその時の反省を活かして、自分の立てた目標が高すぎないか?低すぎないか?など、指導者の方と相談をしながら進めていく事で、改善していきました。
段々と経験を重ねる事で自分の進むペースや流れを掴めるようになって、目標に対しての自分の流れをコントロール出来るようになっていきました。

1年後の自分、
5年後の自分はどうなっていたいのか?

着実に目標に辿り着く為には、
今何をすべきなのか?

取り組むための計画が分かれば、目指すものは遠くないのかもしれませんね。
それぞれの夢や目標に向かって頑張って行きましょう!

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この記事を書いた人


菊地香緒里

プロフィール画像提供:株式会社レオ・プランニング

旧姓:川中。2012ロンドンオリンピック銅メダリスト。70mラウンド元日本記録保持者。
鳥取県出身。近畿大学卒。米子南高校入学とともにアーチェリーを始める。高校生のころ、インターハイ団体と国体で優勝。近畿大学進学後、ロンドンオリンピックで日本女子史上初のメダル獲得を果たす。
卒業後は株式会社ミキハウスに所属し、世界室内で団体優勝、リオデジャネイロオリンピック出場、アジア選手権団体3位、全日本選手権優勝等。退社後はジュニア選手の指導や運営スタッフとして等、競技の普及や発展に尽力している。