こんにちは!菊地香緖里です。
木枯らしが吹き、少し肌寒い季節となってきましたね。
乾燥したり指先も冷えるこの頃…
アーチェリーは手先もよく使う競技ですが、指先まで労わっていますか?
今回は「指先のケア」のお話です。
爪のケアは定期的に
皆さんは、爪の長さや爪を切るタイミングなどはどのように調整していますか?
私の場合、現役時代には、試合直前には爪を切らないように気をつけていました。
アーチェリーはとりかけやグリップなど、指先の神経まで研ぎ澄ませて矢を放ちます。
「手元で1mmずれると70m先の的前では10cmずれる」と言われる程、繊細なスポーツです。
特にとりかけは、直接弦に触れる場所であり、指先の少しの力の変化が矢に影響する事があります。
爪の長さによって、力の入り具合や感覚が変化するため、トップ選手ほど指先まで最善の状態を保つため注意を払っていると感じます。
試合直前に爪の長さが変化すると力の入り具合や感覚が変わるので、一定の長さを保つ為にやすりで整えたり、出来るだけ割れないように気をつけたりしていました。
私の場合は、爪を短く切りすぎると指先に力が入りすぎる感覚があったため、切りすぎないように注意をしていました。
爪が長すぎたり短すぎたりしないように、適切な長さをキープするのが射ちやすさと一定の感覚を維持するためのひとつの方法でもありました。
爪が薄く割れやすい方などは、ネイルをする事で強度を保つことも可能です。
学校や職場の規定等に問題がなければ、ベストなコンディションを保つための方法として取り入れてみるのも良いかもしれません。
乾燥・ひび割れとの戦い
また、少し乾燥したり寒い季節になると、指先がひび割れたり、手がパサパサになって紙がめくれなかったりする人も多いかと思います。
とりかけの指先が一度ひび割れてしまうと、痛みで射つ事に支障が出たり、出血してしまう事もあります。
治るまでの間にテーピングなどで補強をすると、感覚が変わることもあるでしょう。
私もアーチェリー初心者の頃、練習を沢山する程に指先が痛くなったり、冬には皮膚が乾燥しすぎて割れたりして、冬の練習は辛いなぁ…と思った事がよくありました。
練習量が多くなるほど、指先にタコが出来たり皮に厚みが出てきて、乾燥すると割れやすくなったりするかと思います。
そんな方には100円ショップなどにも売っている「かかとヤスリ」を利用する事をオススメします。
皮膚に厚みが出できたと感じた時点で、お風呂に入って皮膚が柔らかくなったタイミングで軽くやすりをかけ、厚みを整えます。
皮膚が厚く固くなりすぎると、乾燥した時のパックリ割れの原因になりやすいので、定期的に削って厚みを調えるとひび割れの予防ができます。
やすりで削って整えた後にはしっかりと保湿をする事も大切です。
ハンドクリームは慎重に
それから、寒い季節に注意したいのが「ハンドクリームの塗り方」です。
手先が乾燥しやすい人はハンドクリームを塗る方も多いかと思います。
このハンドクリームですが、乾燥した部分や皮膚の柔らかさを保つにはとても便利な道具ではありますが、練習前に塗る場合は少し注意が必要です。
練習前にハンドクリームを塗りたい時には、グリップの手のひら側には塗らない方が良いかもしれません。
グリップの手のひら部分にも塗ると、弓を持った時に滑る原因になりやすく、ミスにも繋がる原因となり得ます。
また、グリップテープを巻いている人はテープ自体にもハンドクリームが染み込むので、しばらく滑るような感覚にもなってしまうかもしれません。
どうしても乾燥して困る時は、
手の甲側だけに塗ったり、ハンドクリームを化粧水に変更するとベタつきにくいのでオススメです!
手先が乾燥しやすい人は、お風呂上がりに保湿をしたり、寝る前にハンドクリームを塗っておくとひび割れや乾燥の予防ができます。
冬には手袋を上手に活用して
冬場の乾燥や手荒れから守るには、手袋を着用しておく事もひとつの方法です。
冬場の試合では外から移動をしてきて、指先が冷えきっている状態で試合に入ることもあるかと思います。
指先が冷えたままだと、思うように動かなかったり感覚も鈍くなったりと、普段の練習の状態やベストの状態に持っていくまでに時間がかかってしまいます。
スムーズに良い状態で試合に入るためには身体や指先を冷やさないように注意し、カイロや上着、手袋などで冷気から守ることも大切な準備になります。
寒い季節の指先のケア、いかがでしたでしょうか。
・爪のケア
・ひび割れ対策
・保温方法
以上のようなケア方法で、少しだけ快適な冬が過ごせるかもしれません。
細やかなケアでより快適な行射を行っていきましょう!
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プロフィール画像提供:株式会社レオ・プランニング
旧姓:川中。2012ロンドンオリンピック銅メダリスト。70mラウンド元日本記録保持者。
鳥取県出身。近畿大学卒。米子南高校入学とともにアーチェリーを始める。高校生のころ、インターハイ団体と国体で優勝。近畿大学進学後、ロンドンオリンピックで日本女子史上初のメダル獲得を果たす。
卒業後は株式会社ミキハウスに所属し、世界室内で団体優勝、リオデジャネイロオリンピック出場、アジア選手権団体3位、全日本選手権優勝等。退社後はジュニア選手の指導や運営スタッフとして等、競技の普及や発展に尽力している。