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DynastyOfficialBLOG 「点数と意識 」小笠原琢磨

       
アーチェリー記事

こんにちは、小笠原琢磨です。
今回は、「点数と意識」についてお話ししたいと思います。

自己ベストの考え方

「点数の競技」であるアーチェリーにおいて一番難しいのは、”点数を意識せず射つこと”だと考えています。
点数の競技であるから、点数を出したくなるのは当たり前です。
点数が良かったら「自己ベストが更新できるかもしれない」などのプレッシャーを感じるし、逆に点数が悪ければ「調子を上げないと」などと焦りが出ます。

うちの部員(愛知産業大学)の子達にもよく言いますが、自己ベストは自分の最高のパフォーマンスが出たときの点数であり、出し得る自分の最高のスコアです。

点数が悪かったから、射ち方を変える…?

例えば、自己ベストが640点の選手(以下A選手)がいたとします。
とある試合で610点を射ち、納得の行かない様子です。A選手は、射ち方が悪くなってしまったと思い、射ち方を見直すことにしました。
しかし、A選手はこの後自己ベストを射てなくなってしまいました。
彼は、どうしたらよかったでしょうか?

答えは、【自己ベスト≠実力】【アベレージ=実力】を理解すること、そして点数は上下するのが当たり前だと理解し、射ち方を変えないことです。
それは、日本のトップ選手たちであっても同じです。

トップ選手がトップ選手である理由

680点を射つ彼らも、常に680点を射ち続けているわけではありません。
調子が悪ければ、それ以下の点数を射つことももちろんあります。
しかし、調子が悪い中での点数の下限が高いため、トップ選手はアベレージが高く、実力がある(アベレージ=実力)のです。

そして、彼らは点数が上下することが当たり前だと理解し、その数字に惑わされず、射ち方や意識を変えないためトップ選手でいられます。

他のプレイヤーの方が書いていましたが、【自己ベスト=実力】だとは思ってはいけません。
【アベレージ=実力】です。

DynastyOfficialBLOG 「私たちは、打率1割の競技を戦っている」佐々木淳二

A選手はただその時の身体の調子が悪かったのかもしれません。
640点を射つ可能性がある射ち方をたった1回の試合で変えてしまうのは勿体無いと僕は考えます。

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この記事を書いた人


小笠原琢磨

愛知産業大学職員。静岡県出身。同学卒。アーチェリー選手であった父の勧めで中学1年生のとき競技を始める。キャデット部門(小・中学生部門)のころ全日本キャデット選手権優勝。高校進学後、新潟国体優勝、アジアグランプリ出場等、数々の主要大会で輝かしい成績を収めるが、同2年生のころ右肘を故障。愛知産業大進学後、左右転向し、選手としてナショナルチームや世界室内選手権の選考会に出場する傍ら、同学チームのコーチを務めた。卒業後は同学専任のコーチとして女子王座入賞、インカレ入賞、U-20入り等に導く。また、自身と同様に左右転向をせざるを得なかった選手を全国大会へ復帰させ、そのノウハウは専門誌でも掲載された。