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DynastyOfficialBLOG 「 距離を射てない時の練習のポイント」菊地香緒里

       
アーチェリー記事

こんにちは!菊地香緖里です。

季節の変わり目には雨が降ったり、風が吹いたり、時には雪が積もったりして普段の練習に支障が出てくる地域の方なども多いのではないでしょうか…

皆さんは、悪天候の時の練習ってどのような事をしていますか?

距離を射てない場合には、近い距離での近射練習をしたり、筋力トレーニングを行う方も多いかと思います。

今回は、「距離を射てない時の練習のポイント」についてお話したいと思います。

距離以外の練習方法としてよく用いられる練習は、

  • ゴム引き・素引き
  • 近射
  • 筋力トレーニング

などがあります。

今回はこの3つのトレーニングを有効的に行うために大切なポイントをご紹介します!

①ゴム引き・素引き

ゴム引きや素引きは基礎を固めるための重要な練習です。

日々の練習で意識している事を一つ一つ確認しながら行っていきましょう。

自分目線で見てみよう

射型を確認する時は感覚だけで合わせるのではなく、客観的な「見た目・形」で合わせていく事も必要になります。

私はコーチから、「自分の感覚というのは、その日の天気や体調によっても毎日変わるもの」だと教わりました。
その中で、一定に射つ為に変わらず確認出来るのが、「見た目」や「形」です。

取りかけやグリップなどは感覚だけでなく、定期的に自分の目で見てしっかりと確認を行う事が大切です。

ゴム引きや素引きなどの負荷の少ない状態で丁寧に確かめる事は日々の振り返りに繋がります。

客観的に外側から自分をみてみよう

また、周りの人に見てもらったり、鏡に向かって引いてみて自分の引き方を外側から見てみる事もとても良い練習になります!

特に、立ち方や姿勢、持ち上げる高さ、弓の傾きなどは鏡を使って外側から見ると「感覚はこの位だと思っていたけど、自分が思ってたのと違う!」という事もあるかもしれません。

外から見ることで気付くことも沢山ありますよ!

②近射

近射はウォーミングアップやクールダウンの為にも行われる大切な練習です。

主にフォームを確認したり、射形を直していく過程でよく行われ、ゴム引きや素引きとともに基礎を固めたり日々の振り返りを行うのにとても良い練習が出来ます。

近射の時は畳との距離も近く、的を貼らないで射つ人も多いかと思います。
そのため、近射を行っている人の中には、“射形は意識するけど、狙わずに射っている”なんて人も多いのではないでしょうか?

近射でも「狙う」

近射での大切なポイントは、「狙いながら行射をする」ことです。

距離を射つ時、サイトピンを的の真ん中に着けてしっかり狙っていますよね?

アーチェリーは、セット、セットアップ…などの細かい動きが連動することでひとつの射型が出来上がっていきます

近い距離であっても、この「狙う」動作を飛ばしてはいけません!

近い距離よりも、遠い距離の方がより的が小さく見えるのでサイトピンを付けるのはより難しくなっていきます。

近射などの近い距離で素早く正確にサイトピンを付けれるようになれば、離れた距離を射つ時により正確に狙いをつけられるようになっていきます。

的がなくてもできること

近射で的は貼らない…という方には、こんな練習方法があります。

練習方法❶

畳の目を狙って、矢をまっすぐ縦に並べて射っていく

_________垂直に狙いをつける練習をすることで、狙いの左右のブレを修正する練習が出来ます。
この時、肩の詰まりや上がりを防ぐため、上から下に順番に射っていくのがポイントです。

練習方法❷

畳の目を狙って、矢を横1列になるように並べて射っていく

_________水平に狙いをつける練習となり、狙いの上下のブレを修正する練習が出来ます。

この練習で、縦方向、横方向ともに一射一射が同じように射てるようになってくると、矢の刺さり方も変わってきます。
全ての矢が同じような刺さり方であれば一定に射てている証拠です。

③筋力トレーニング

だらだらするトレーニングはもったいない

筋力トレーニングを行う時に気をつけたいのが、「鍛えようとしている場所を意識しながら行うこと」です。

足や腕、肩周りなど、色々なパーツを鍛えていくこともあるかと思いますが、トレーニングでは「今、どの部位を鍛えようとしているのか」を考えて、鍛えている筋肉や場所を意識しながら行うことが大切です。

ただ“なんとなく動かしているだけ”にならないように、自分にとって必要なトレーニングとなるよう、考えながら取り組んでいきましょう。

気温が低い時にやりたいこと

また、天候の悪い日にトレーニングを行う場合は、外の気温が下がっていることも多く、汗をかいた後に風邪を引きやすくなったりもしやすいです。
トレーニング前には動的ストレッチ、トレーニング終了後には静的ストレッチを行う事や、汗をかいた後に着替えられるように着替えを用意しておくことなども体調管理や怪我の防止に繋がります。

以上、距離が射てない時の練習を3つご紹介しました。
距離が射てないから練習は出来ないな…なんて思わず、近射やゴム引きもレベルアップのチャンスだ!と思って前向きに頑張っていきましょう!

\ コスパ最強!スタビライザー! /

この記事を書いた人


菊地香緒里

プロフィール画像提供:株式会社レオ・プランニング

旧姓:川中。2012ロンドンオリンピック銅メダリスト。70mラウンド元日本記録保持者。
鳥取県出身。近畿大学卒。米子南高校入学とともにアーチェリーを始める。高校生のころ、インターハイ団体と国体で優勝。近畿大学進学後、ロンドンオリンピックで日本女子史上初のメダル獲得を果たす。
卒業後は株式会社ミキハウスに所属し、世界室内で団体優勝、リオデジャネイロオリンピック出場、アジア選手権団体3位、全日本選手権優勝等。退社後はジュニア選手の指導や運営スタッフとして等、競技の普及や発展に尽力している。