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DynastyOfficialBLOG 「Mathews TITLE 忖度なしレビュー①(スペック編)」佐々木淳二

       
アーチェリー記事

こんにちは。Dynasty Premier Player の佐々木淳二です。

人気があったTRXシリーズの後継機ということで去年リリースされたMathewsのニューモデルTITLEシリーズ
海外のトップ選手が絶賛していたり、先日国内でもインドアの日本記録が更新されたりで注目している方も多いのではないでしょうか?

昨年末にようやく届きまして(まだ日本には数台しか入っていないと思われます)、しばらく使ってみたので自称Mathewsマニアとして「忖度なし」レビューをしてみたいと思います!

私が今まで使用してきた弓具は以下の通りです。

佐々木淳二選手 使用弓具遍歴

TRX38(Gen1) → TRX40 → TITLE38

それなりにMathewsは使い込んできたので今回はTRXシリーズとの比較もできればと思います。

それでは各部に分けてレビューしていきたいと思います!

デザインと重量


TRXは元々“NOCAM TRG”シリーズの流れをくむストレートの超ロングライザーだったのですが、今回はその流れはありつつもより「弓っぽい」デザインになりました
「TRXは骨っぽくて嫌…」という意見も結構あったのですが(個人的には無骨で好きでしたが)、今回は本当にかっこいいです!

後退したリムポケットやスーパーワイドリムの個性的なデザインとのバランスも絶妙ですし、ゴールドのウエイトが差し色になっていて個人的にはかなり気に入っています。
やっぱりかっこいい道具ってケースから出すたびにテンション上がりますよね…。
(弓は見た目が2番目くらいに大事だと思っています)

重量については今回大幅な軽量化がなされました
ライザーは強度が少し心配になるくらいの肉抜きがされていて(この辺の耐久性は現時点で評価できません)、
TITLE38で2,068g、TITLE36で2,036gしかありません。
前作のTRX38-G2が2208gだったので、実に140gも軽くなりました

最近の弓は2200g以上が主流ですので(HOYTのSTRATOS36で2,222g)、
持ってみた印象は「少し軽すぎる」が正直な感想でした。
軽い弓が好きな方には良いかもしれませんね。

アンカーウエイトとブリッジロックシステム


前述したように今回新システムとして、8ozのアンカーウエイトがライザー下部に装着されています。
グリップ下に重さを集中させることで弓の重心を最適化するとの事で、実際に射った時の弓のバランスはとても良かったです。
「TRXに似たバランスだが、TRXのように上が重くない」といった感じで、進化が感じられました。TRXは上が重すぎるという意見をよく聞いたので確実に改善されていると思います。

試しにアンカーウエイトを取り外して射ってみましたが、あまりバランスが好みではありませんでした。

個人的にはもう少し手元の重さが欲しいので、もっと重たいオプションウエイトを発売して欲しいですね。

また、ブリッジロックシステムが導入されたので、専用のブリッジロックスタビライザー(Mathews)をブッシングなしで直接本体に取り付けることが可能になりました。

振動吸収効果がすごいらしいのですが、かなり高価な上、汎用性も低いので試す予定はありません。
やっぱりスタビライザーはクオンタムですね!

カムとリム

カムやリムに関してはハンティングモデルのPHASE4で培われた技術が転用されています。
中でもリムの間にダンパーをサンドした「レジスタンスフェーズダンピング」はかなり良かったです。

過去のTRXでは以下のような問題点があったのですが、

TRX38

→ 上下に装備したハーモニックダンパーのせいで上が重い

TRX38G2

→ ハーモニックダンパーを下だけにした結果、今度は振動が取れない

この問題をやっとクリアできた感じがしました。
振動吸収効果は抜群で射ったフィーリングがかなり良いので気に入っています。

ただ、より短く薄く、しかも上下で8枚になったリムの強度については、これから使い込んでみないと分からないので評価ができないです。
ドライファイヤしたら確実に真っ二つに折れそうな薄さで正直ちょっと心配です…。

カムについては、今回からスイッチウェイトカム(SWTカム)が実装されました。

リムを変えずに、モジュールの変更だけでMAXウェイトも変えられるのが特徴なのですが、正直ユーザにとってはあまりメリットがないです。
(メーカーとしてはリムの在庫が一種類になるので歩留まりが良さそうですが)

例えば、現在#40-50を使用している方が50オーバーのポンドを目指したいとなった場合、
モジュール交換だけで#45-55や#50-60に変えられるので出費が少なくて良いかもしれません。
また、売却するときも買ってくれる人の幅が広そうで良いかもしれませんね。

見た目はカムがかなり大きくなっており、引くのが大変そうな印象を受けますが、
実際に射ってみると前作のC3Xカムとさほど変わらない印象でした。
ウォールもしっかりと固く、きちんとバレーがあります
TRXシリーズを使っていた方であれば問題なく移行できそうです。
また、矢速も向上しています。

私はレットオフ70%モジュールを選択しましたが、前作同様ちょっと癖があるので基本的には75%や80%をおすすめします。

ストリング


TITILEシリーズからは「MATCHストリング」という新ストリングが採用されました。

TRXシリーズで採用されていたゼブラストリングは個人的に好みではなかったので、カスタムストリングに変えていたのですが、今回のMATCHは慣らしが早く、伸びが少なく好印象でした。
もう少し使い込んでみたいと思います。

カラーバリエーション


Mathewsはいつもシンプルなカラー展開でしたが、今回は珍しく多色展開になりました。

本体7色(黒、白、黄色、ミント、メタリックレッド、ディープティール、エレクトリックグリーン)になっているので、ストリングやリムカラーと合わせてコーディネートできそうですね!

ここまで各部についてレビューしてみました。
次回は実際に射ってみた感想をお伝えしたいと思います!
それではまた!

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この記事を書いた人

佐々木 淳二
現日本チャンピオンで日本記録保持者(50mラウンド707点)。北海道出身。地元・札幌でコンパウンドを始め、活動拠点を東京に移したのち50mラウンド700点アップ、複数回のトーナメント日本記録タイ記録、インドアホワイトバッジ取得と、名実ともに日本を代表するトップ選手のひとりとなる。2020年に全日本ターゲット選手権で初優勝を飾ると翌2021年に連覇を果たした。2021年10月の記録会にて、これまで6年間破られなかった50mラウンド日本記録704点を一気に3点更新する707点を記録、日本中に大きな衝撃を与えた。
Dynastyではアートディレクターとしてデザイン監修も務め、サマーシュートキービジュアルほか、ポップで明快かつ個性的なデザインで業界内外の信頼を集めている。