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DynastyOfficialBlog「消耗品の管理について」大貫渉

       
アーチェリー記事

こんにちは、大貫渉です。

試合シーズンに向けて、道具の管理は非常に重要になりますが、みなさんはどのように管理していますか?
トップ選手がどのような管理をしているのか、どのくらいの頻度で交換しているのか、お伝えできたらなと思います!

今回消耗品とするのは、【シャフト・ノック・ベイン・ストリング・タブ】です!

使用している消耗品 モデル・詳細
シャフト EASTON X10シャフト 450番 C1
ノック ひみつのアウトサート
ベイン SPIDER VANES model 702
ストリング ANGEL 777ストリング
タブ キャバリア(削って加工したもの)

01シャフト

私の場合、シャフトは年間4ダース使用しています。
年に2回2ダースずつ作成し、試合矢として約半年使用した後に練習矢として使用します。

シャフトは新しければ新しいほどいいので、10月から始まる国体、全日本選手権、ナショナルチーム選考会、4月に行われる選考会前などの重要な大会前に作成し使用することが多いです。

注意

シャフトに割れ・ひびがある場合は非常に危険なのですぐに廃棄しましょう。

02ノック

ノックは矢同士の接触により細かい割れが入っている可能性があるので、自分の中で重要な試合の前には全て新しい物に交換します。

また、シャフトとノックの間に緩みがある場合にシールテープなどを噛ませてノックを固定することがあるかと思いますが、その分ノックには負担がかかってしまいます。
ひび割れなどはシールテープを挟んでいる場所から起こりやすいので注意が必要です。

少しでも割れていたり欠けていたりする場合はすぐに新しいものに交換しましょう。

03ベイン

ベインも同様に重要な試合の前には全て新しい物に貼り替えます

ベインは長い間使用すると矢同士の接触により折れてしまったり切れてしまいます。
みなさんも練習中にベインが1枚だけちぎれてしまったり、折れてしまったりすることがあると思います。
そのまま射っていても問題なく射てはしますが、ちゃんと射ったら10点に入るはずの矢が、ベインが壊れているせいで外れているかもしれません。

理想を言えば3枚全て交換ですが、壊れたベインのみの交換でも大丈夫ですので、壊れたままにせず新しい羽に貼り替えましょう

04ストリング

ストリングの良い状態は使い始めてから1000本〜4000本の状態です。

1000本以下だとストリングがまだ馴染んでいないため、試合では使用しません。
また、4000本以上だと弦が暴れる感覚があるため、それ以降はなるべく使用しないようにしています

試合で良い状態で使いたい場合、練習量の逆算をして使用し過ぎていたり、全く使っていなかったということにならないようにしましょう。

4000本を超えても弦が切れたりするわけではないので、練習では使っても大丈夫ですが、
自分の弓がいつもよりうるさく感じた場合、弦が古くなっている可能性があります
僕はうるさい弓でたくさん練習したいとは思わないので、古くなる前に交換するようにしています。

また雨対策としてよく聞く弦ワックスは、ストリングに雨が染み込まないようにするものです。
雨に濡れた場合はしっかりと乾かしましょう。
定期的に弦ワックスを使用して綺麗な状態をキープしてください

05タブ

タブの良い状態は1000本〜8000本です。

タブは濡れてしまうと皮の油分が抜けてしまって硬くなったり、コシがなくなってしまったりするので、極力雨に濡らさないようにしましょう
ウォータープルーフダビンを使用して、濡れに強くするのも手段の一つです。

もし濡れてしまった時はミンクオイルや、タブトリートメントをしっかり刷り込んでその後に乾かしましょう

タブの状態が悪いまま練習をすることで指が痛かったり力が入ってしまうようであれば練習量にも影響がでますし、
そもそもリリースにも悪影響が出てうまく射つことができなくなってしまいます
良い状態をキープすることが質の高いシューティングを生み出します。

この記事を読んでかなり交換する必要があるなと思った方が多いのでは無いでしょうか?

私の場合を書いていますので、今回紹介した頻度で変えなければいけないというわけではありません。
最高の状態をキープすることを前提で書かせてもらってます。

私自身もタブ皮が古くなっていたり、弦がけばけばしてしまっている状態で使用していることもあります。
ただ悪い状態で練習をしすぎると、射ち方そのものにも少なからず影響が出てしまうのでなるべく状態の良いものを使った練習を心がけています。

道具のベストタイミングは人によって若干違います。
大事な試合で良い結果を残すためには事前準備が必要です。
自分にとってベストな状態はいつなのか、自分の消耗品リストを作り使用期間、使用本数、点取りの結果を書き出し、さまざまなパターンを試してこれから始まる試合シーズンでベストが出せるように頑張りましょう!

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この記事を書いた人


大貫渉

株式会社サガミ所属。2021年日本ナショナルチームメンバー。神奈川県出身。立教大学卒。経験者の父の影響で小学校5年生より競技を始め、中学3年生のとき全日ユース室内準優勝を果たす。高校生のとき全国高校選抜4位。立教大進学後、全日本選手権2位。サガミ所属後、ワールドゲームズ銅メダル獲得。2017年ワールドゲームズで日本人として初のメダル獲得を成し遂げると、翌年イタリア・コルチナでおこなわれた世界フィールド選手権にて日本人史上初の優勝を果たす。フィールドアーチェリー世界最強として国内外のメディアから大きな注目を浴び、その人柄やトーク術から現在でもテレビ番組出演も多数。2021年時点でナショナルチームへは5年連続メンバー入りを果たしており、今後に最も期待のかかるトップアーチャーのひとり。恵まれた体躯と柔和な笑顔からついたイメージキャラクターは「くまのプーさん」。