こんにちは!菊地香緖里です。
皆さんは、弓のチューニングはどのように行っていますか?
今回は、初心者用の弓を卒業して自分の弓を使い始めた初心者〜中級者向け・リカーブのチューニング方法をお伝えしたいと思います。
チューニングといっても、最初はどこをどのように触れば調整出来るのか、よく分からない事も多いですよね。
自分の弓を持ったなら、最低限「ここは覚えておきたい!」というチューニングのポイントをお伝えしたいと思います。
チューニングに入る前に
まず、チューニングをする前に必ず把握しておきたい事があります。
それは、
・ストリングハイトとティラーハイトの位置
・ノッキングポイントの位置
以上の3つです。
この3つは、いつ聞かれてもすぐ答えられるように必ずメモをして把握しておきましょう。
ポンドやノッキングポイントの位置が変われば、チューニングも変わります。
アーチェリーは道具を使うスポーツなので、道具の細かい変化が点数へ影響します。
ストリングハイトも毎日練習の前に計り、同じ位置になっているかきちんと確認をしてから練習に入る事が大切です!
ノッキングポイント
次に把握しておきたいのは、「ノッキングポイント」です。
ノッキングポイントは矢を射つ度に必ず触れる部分です。
練習を重ねる程すり減っていき、切れやすくなります。
また、雨で濡れた日などは水分を含んでしまい、より解けやすくなるので注意が必要です。
糸が切れそうになっていないか、緩んでいないか、上下のノッキングポイントが適切な幅で着いているか…などを定期的に確認し、壊れる前にすぐ直せるように用意をしておきましょう。
ノッキングポイントが不安定な状態で射つ事は、事故が起きる原因にもなり得ます。
いつでも自分で直せるように作成方法を練習しておく事も大切な上達ポイントです!
以上の内容を把握出来たら、やっとチューニングに入る事が出来ます。
チューニングをする目安
チューニングを行うには、プランジャーを取り付けている状態で、ある程度離れた距離でも矢が集まるようになっている(グルーピングが出来ている)必要があります。
目安としては、30mで300点以上は出せるようになっていると良いでしょう。
加えて、事前に弓具のセンターショット調整とレスト位置の調整を終わらせておきましょう。
ベアシャフトチューニング
今回は、私がよく行っていたベアシャフトチューニングのやり方をご紹介します。
・羽付きの矢・・・3本程度
・ベアシャフト(羽の貼っていない矢)・・・3本程度
・ノッキングポイントを作る道具
・プランジャーの強弱を調整する為の道具
・メモ
-
1
- 矢を準備する
- 綺麗に羽を貼った羽付きの矢を3本、羽の貼っていないベアシャフトを3本用意する。
-
2
- サイトを合わせる
- 出来るだけ風がない状態で、30mを行射する。
まずは羽付きの矢が的の真ん中に行くようにサイトを合わせる。ベアシャフトはまだ射たない。
-
3
- ベアシャフト・羽つきの両方の矢を射つ
- サイトが合ったら、羽付きの矢とベアシャフトの計6本の矢全てを通常と同じように真ん中を狙って射つ。
(※それぞれの矢ごとに射ち方を変えたり狙いをずらしたりしない事がポイント!)
-
4
- 矢の位置を確認
- ベアシャフトと羽つきの矢の位置を確認する
-
5
- 位置関係に合わせた調整をする
- (※右射ちの場合)
・羽付きの矢よりベアシャフトが左(左射ちの場合は右)にある時
⇒プランジャーを柔らかくする
・羽付きの矢よりベアシャフトが右(左射ちの場合は左)にある時
⇒プランジャーを固くする
・羽付きの矢よりベアシャフトが下にある時
⇒ノッキングポイントを下げる
・羽付きの矢よりベアシャフトが上にある時
⇒ノッキングポイントを上げる
この②~④の調整を繰り返し、羽付きの矢とベアシャフトが同じグルーピングに集まるように調整していきます。
例えば、右射ちの人の場合、羽付きの矢が黄色に集まっていて、ベアシャフトのグルーピングが左上の7点にあれば…
⇒プランジャーを柔らかくする
⇒ノッキングポイントの位置を上げる といった調整を行います。
プランジャーやノッキングポイントを動かしたら、もう一度羽付きの矢が真ん中にいくようにサイトを合わせて、再度羽付きの矢とベアシャフトを射ち、羽付きの矢と同じグルーピングに集まるようになればチューニング完了です!
チューニングが終わったら…
チューニングが完了したら、変更したノッキングポイントの位置やプランジャーのネジ位置もメモをして記録を残しておきましょう。
最初、慣れないうちは時間がかかったり、動かす方向が分からなくなったりする事もあると思うので、チューニングが分かる人や指導者の方などに見てもらいながら一緒に調整をするとよいでしょう。
チューニングを行うタイミングとしては、大会の2週間前〜1週間前の期間で行うと、余裕を持って調整や用意が出来るかと思います。
自分でチューニングのやり方を覚えておけば、いざという時や何か弓具の調子がおかしいと感じる時にも早く気付いて修正する事が出来ます。
道具を使うスポーツなので、扱い方を理解して正しく安全に使いこなしていきたいですね。
是非覚えてみてくださいね!
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プロフィール画像提供:株式会社レオ・プランニング
旧姓:川中。2012ロンドンオリンピック銅メダリスト。70mラウンド元日本記録保持者。
鳥取県出身。近畿大学卒。米子南高校入学とともにアーチェリーを始める。高校生のころ、インターハイ団体と国体で優勝。近畿大学進学後、ロンドンオリンピックで日本女子史上初のメダル獲得を果たす。
卒業後は株式会社ミキハウスに所属し、世界室内で団体優勝、リオデジャネイロオリンピック出場、アジア選手権団体3位、全日本選手権優勝等。退社後はジュニア選手の指導や運営スタッフとして等、競技の普及や発展に尽力している。